Mariene de Castro

MArieni de Castro
レーベル:UNIVERSAL
品 番: 60252749814
価 格: 2400円(輸入盤)
製造国: ブラジル 2010年作品
買ったお店: ディスクユニオン新宿本館4階ラテン・ブラジルフロア

毎回このコーナーの原稿を書くにあたり、一応は締め切り日を自主設定してそれなりに守ってきたつもりではありましたが、すみません、今回は大幅に遅れてしまいました。原稿を書き直したからであります。(今書き直しています、はい。)

マリエーニ・ヂ・カストロさんの二作目にあたる本作、バイ―アで行ったコンサートの実況盤です。この作品を選んだ当初は、前回のべッチ・カルヴァ―リョからの繋がりでバイーアのサンバ、アフロ・ブラジリアン文化伝承の良作として紹介しようと思っていたのですが、原稿を書きながら何度も聴き返すうち、本作に納められている音楽の持つ幅は、それだけに納まらないことに気が付いたのであります。

マリエ―ニさんの一作目が出たのは2004年、アフロ・ブラジル系サンバとしてそこそこ話題になったと記憶していますが、その後(少なくとも僕には)情報がはいって来ず、本作を店頭で見かけた時も始めはピンときませんでした。しかし現地では精力的に活動を続けていらっしゃるようで、この実況盤で聴ける観客の盛り上がりが示すとおり、今やバイ―ア・サンバの歌姫と言っていいでしょう。この作品もメジャーのユニヴァ―サルからの配給となりました。

冒頭に流れるイエマンジャに捧げる歌、そしてビリンバウの音色が象徴するとおり、これは「アフロ・ブラジリアンの、アフロ・ブラジリアンによる、アフロ・ブラジリアンのための音楽」です。しかし何だろう、この情報量の多さは?サンバ、フォホー、バイアオン、マラカトウ、いろんなリズムが次々と飛び出す自由奔放さ、さながらバイ―アからノルデスチへ、そしてリオへ、自由に行き来するブラジル音楽紀行であります。ボサ・ノヴァの定番曲でもある“Falsa Baiana”などよく知られた曲も多々飛び出し、マリエーニさんはそれら全てを安定感のある歌唱でつないでいきます。14曲目の怒濤のサンバ・ヂ・ホーダは圧巻です。演奏も素晴らしく、パンデイロやチンバウなどパーカッションの好きな人は必聴でしょう。

個人的には2010年のブラジル音楽ベスト1、サンバを愛する全ての人に聴いていただきたい名作です。

 

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