アフロ・ヘアーがキュートなマイーラ・フレイタスさん、ポーズもばっちり決まっています。この方、実は本コーナー初登場ではありません。2010年10月に紹介したマルチナーリアのライブDVDにボーナス映像として収録されている「超豪華メンバーのホーダ・ヂ・サンバ」でコーラスを担当しています。中盤では楽しそうにサンバ・ノペを踏むお姿も拝見できます。マイーラさんはマルチーニョ・ダ・ヴィラの娘さんでマルチナーリアの妹さんにあたり、このデビュー作もマルチナーリアがプロデースを担当しています。
バリバリのサンバ一家に育ったマイーラさんですが、専門はピアノだそうで、ジャケットで鍵盤を持っているのはそういうわけです。
CDを聴いてみます。1曲目からピアノ・ソロです。あれあれ間違ってクラシックのCD買っちまったよ、なんて思いながら聴いていると、これがショーロの偉人ジャコー・ド・バンドリンの名曲“Voo da Mosca”。続いて2曲目、あら今度はラウンジ系ジャズだと思うと、これがサンバ好きなら誰でも知ってる定番中の定番、フンド・ジ・キンタウの“O show tem que continuar”なのです。すでにこの2曲ですっかりやられてしまいます。
自作の可愛らしい軽快なサンバ“Corselet”などに続き、マルチーニョ父さんの代表曲“Disritmia”では御大みずから登場、娘とのデュエットでいぶし銀の歌声を披露しています。“Disritmia”と言えば「真っ暗な部屋で一人悩んでるんだよ」的な重苦しい雰囲気の曲ですが、ここではクラシカルで荘厳なピアノ・アレンジが施されていて印象が違います。真っ暗な部屋じゃなくて高台とか崖の上で悩んでる感じ、しかも親子で・・シチュエーションとしてはそっちの方がやばいか?とにかく、マイーアさんの音楽的振り幅の広さを感じます。
ほぼ同じ時期にマルチーニョ父さんの最新作“Lambendo a cria”もリリースされましたが、こちらも息子や娘達総動員のファミリー・アルバムになっています。マルチナーリアやマイーアさんももちろん参加していますので、本作と合わせて聴いてみることをお薦めします。 |