Elisa Paraiso レーベル:Elisa Paraiso
品 番:CRIEPCD01
価 格:2500円(輸入盤)
製造国:ブラジル/2008年作品
買ったお店:HMVタカシマヤタイムズスクエア店
(JR新宿 駅新南口・タカシマヤタイムズスクエア12階)

 まずお名前が“楽園エリザ”です。日本でいうなら“椎名林檎”ぐらいのインパクトでありましょう。レーベルは自主制作もいいとこだし未知の人でしたが、HMVのブラジル棚でプッシュされていたので手を伸ばしてみました。
 
エリザさんはミナス州出身の方で、これは2008年のデビュー作です。今年、ノルデスチの音楽を取り上げた2作目を出しましたが、2作とも日本で出回り始めたのは最近のようです。才色兼備の気になる存在がまた一人登場、です。

 音のほうは、マリーザ・モンチの2006年作「私のまわりの宇宙」のヒット以降続々と登場している、“若手MPB歌手によるサンバ再評価”の潮流に位置付けられるでしょう。すなわち、古きよきサンバに愛とリスペクトを表しながら、サンバが持っている土着性と“低所得層の大衆文化”という側面を新しい感性で装飾することで、サンバを「今」の音楽として蘇らせる試みです。マリーザ・モンチやマリア・ヒタ、ホベルタ・サー等がお好きな方は気に入ると思います。

本作では、サンバを基本としつつべースやピアノを効果的に使い、Jazzyな音楽に仕上げています。非サンバ系の曲もレベルが高く、最後に納められたスティーヴ・ウィンウッドのカヴァーは特に秀逸です。ブラジルから届く音楽をエキゾチックかつファッショナブルなものとして捉えている日本の一般的ブラジル音楽リスナーと、かたや頑固(?)なサンバ愛好家の、どちらにも好意的に受け入れられるのではないでしょうか。

 このCDは、アートワークが隅々まで美しく、製作陣のこだわりが伝わります。ipodの普及により、音楽を「データ」として捉える風潮が強まる一方ですが、こういう「作品」を手
にしていると、簡単にダウン・ロードで済ませてほしくないな、との思いが強まります。

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