Wiison Moreira+Baticum

Wilson moreira+Baticm

レーベル:Rob Digital
品  番: RD162
価  格: 2500円(輸入盤)
製造国:ブラジル/2011年作品
買った店:ディスクユニオン新宿本館・ラテンブラジルフロア

サンバの偉人、ウィルソン・モレイラさんの久々の新作が出ました。この新作は天才パンデイロ職人、マルコス・スザーノさんも参加する打楽器ユニット「バチクン」との共同名義になっています。ジャケットのインナースリーブにはバチクンの4人とウィルソン・モレイラさんが一緒の写真が2枚掲載されていて、1枚は20年前(1991年)もう1枚は今年(2011年)の写真です。どうも20年前にこのメンバーで録音した音源をベースに、その後オーバー・ダブや一部の音の差し替えを行って今年ようやく完成、無事に陽の目を見たのだと思いますが、なんで完成まで20年もかかったのかはよくわかりません。(インナースリーブにはそのいきさつが書いてあるみたいですが、ポルトガル語なので・・・)

ウィルソン・モレイラさんは1936年産まれですから今年75歳です。リオの名門エスコーラ「モシダーヂ」の創立に関わり、60年代後半にはポルテーラに移籍してネイ・ロペスやカンデイアと交流を持ちます。特に、ネイ・ロペスとの長年にわたる作詞作曲家コンビでは数々のヒット曲を放ちます。アフロ文化としてのモーホのサンバを現代に伝える、サンバ界の生きる伝説です。

さて、この作品ですが聴いてビックリ、「アフロ・ブラジルのリズム大百科」でした。
バチクン作の1曲目以外はウィルソン・モレイラさんの手になる曲ですが、ジョンゴ、フォホー、サンバ・ジ・ホーダ、サンバヘギ、テヘイロ、オリシャのリズム等等、アフロ・ブラジリアンの豊かな音楽ジャンルとリズムが次々に展開されています。インナーには個々のリズムの解説もついています(が、やはりポル語なので・・・)。

 バックを勤めるバチクンの演奏もすごいです。マルコス・スザーノさんの神がかり的パンデイロはもちろんの事、4人が使用した楽器が全部インナーにクレジットされているのですが、「これ以外にブラジルの打楽器って何かあったっけ?」と思うほどです。前に紹介したマリエーニ・ジ・カストロさんが気に入った人なら、はまる事受け合います。

 本盤は国内盤も出ています。国内盤にはかつてウィルソン・モレイラさんのCDをプロデュースした事もある田中勝則さんの解説書がついていますので、本作をより深く理解したい方にはそちらをお薦めします。(ライス・レコードMCR7027 2,835円)


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