Duas Faces - Jam Session

Duas Faces - Jam Session
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Biscoito Fino
BF118
2400円(輸入盤)
ブラジル/2011年作品
ディスクユニオン新宿本館4階ラテン・ブラジルフロア

サンバの女王、アルシオーネさんの新作が出ました。もう一人の女王、ベッチも本当に久々となる新作を最近リリースしたのですが、ベッチは一度取り上げていますので、今回はアルシオーネさんです。ジャケットも何となくクリスマスっぽいし。

この新作“Duas Faces”は彼女の芸能生活40周年記念作品となっております。本作はライブ録音なのですが、資料によると前半は自宅(!)、後半はマンゲイラのクアドラで録音されたそうです。Jam Sessionの副題のとおり、マリア・ベターニャ、ジャバン、エミリオ・サンチアゴ、マルティーニョ・ダ・ヴィラ、レニーニ等豪華ゲストを迎えての堂々のライヴです。

アルシオーネさんという人はどんなタイプの曲でもこなせてしまう、実に器用な人です。本作でも元ソフト・セルのマーク・アーモンドが唄った「What Makes a Man a Man」(なぜかRua Sem
Solという曲名になってます)などを取り上げていますが、彼女の過去の作品を聴くと、アルバム一枚の中にサンバだけでなく、サンバ・ヘギやフォホー、ジャズ、ポップスなどいろんなタイプの曲が混じっているというパターンが多く、器用貧乏とでも言うのか、かえって散漫な印象を受けるアルバムが多いです。そのためか、80年代に趙ド級のサンバ・アルバムを連発したベッチに比べると、サンバ女王としてはやや分が悪い感じです。僕の周りだけかもしれませんが、「ベッチは集めてるけど、アルシオーネはいいや」という人も結構います。

しかし、歌の上手さという点ではアルシオーネさんはベッチより一段も二段も格上なのです。実際、芸能生活40年にして現役でこれほど極上のバラードを聴かせてくれる人なんて、アルシオーネさんの他には和田アキ子ぐらいしか私は知りません。本作は、その彼女の「歌」を聴く作品です。クリスマスの夜、静かにじっくりと耳を傾けるにふさわしい一枚です。


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