Letieres Leite e Orkestra Rumpilezz
レーベル:Biscoito Fino
品 番:BF917
価 格:2510円(輸入版)
製造国:ブラジル/2009年作品
買ったお店:タワーレコード秋葉原店

打楽器+管楽器という編成の大所帯バンド「オルケストラ・フンピレズ」を紹介します。リーダーはサックス奏者のレティエレス・レイチさんで、使われている打楽器は「アタバキ」。ここでピン!と来た人はジンガ上級者です。アタバキにサックスと言えば・・・そう、「アタバキ・ブラザース」ですね!

「アタバキ・ブラザース」は、ジンガとは深い関係にある翁長巳酉さんとマンデラさんを中心とした、カンドンブレにフリー・ジャズを併せた感じの演奏をする伝説(?)のユニットです。メンバーの沸騰ぶりが凄くて、特にフロントに立つ管楽器の面々、おとなしく原曲のメロディをなぞったりしてるのは始めだけで、すぐに暴走します。するとマンデラさんが「負けねえ!」とばかりにアタバキの音量を倍増させて応戦です。そのうちにあじゃさまが踊り出す、と毎回毎回大変なライブでした。我々聴衆は「この曲はいつ終わるのだろう」「今何曲目だろう」「終電は間に合うか」などと様々な不安を抱えつつも強烈なリズムの嵐に飲み込まれていくのです。「渋さ知らズ」に似ているなあと思っていたら、「渋さ」のリーダーの不破大輔さんが客演した事もありました。

「アタバキ・ブラザース」の説明が長くなりましたが、このオルケストラ・フンピレズ、「大人数のアタバキ・ブラザース」「知的なアタバキ・ブラザース」「パンク・スピリットの足りないアタバキ・ブラザース」そんな形容詞がぴったりです。

ベースにしているのはオリシャのリズムで、その上でホーン隊がジャズ的アンサンブルを展開します。レイチさんがどんな音楽的背景のある人なのかわかりませんが、ニュー・オーリンズのマルディ・グラの音楽などとも共通点があって興味深いです。CDにはサルバドールの教会でのライブ映像も納められていて、パソコンで観る事ができます。

本作をリリースしたビスコイト・フィーノは、サンバ・MPBの新作からボサノヴァやシーロの貴重な音源復刻まで担う、ブラジルのポピュラー音楽における最重要レーベルです。初耳の音楽家でも、ビスコイト・フィーノから出ているというだけで信頼して手に取る事ができます。

http://www.biscoitofino.com.br/bf/

 

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